剣望くんの極めて不本意な日常茶飯事
妄想が発展して、ついに二次まで書いちゃいましたw
短い話ですが、超久しぶりの小鉄&狭霧話です♪
☆☆☆☆☆
あと少しで予鈴が鳴ろうかという頃、教室に戻ろうと廊下を急いでいた狭霧は、前方から矢島が大きな段ボール箱を重そうに抱えて歩いてくるのに気が付いた。
「矢島。何だ?その大荷物」
「それが運悪くセンセーにつかまっちゃってさあ。次の授業で使うから教室に運んどけだって。か弱い乙女に頼むことかってゆーのよねー」
か弱いかどうかはともかく乙女は乙女に間違いはない。矢島の言葉は聞き流して、狭霧はとりあえず紳士的な申し出をすることにした。
「重そうだな。反対側持つわ」
と、狭霧は矢島の持つ段ボール箱に手を掛けようとした。
「ホント?!嬉しい!」
ぱっと矢島の顔に喜色が浮かび、持っていた荷物から両手が離れた。中身のぎっしり詰まった段ボール箱はそのまま垂直に落下し、狭霧の右足を直撃した。
冗談ではなく相当な重量があったらしい荷物をまともに右足で受け止めた衝撃は、やはり半端なかった。痛みのあまり声を上げることもできず、狭霧は右足を押さえてその場にうずくまった。
「ゴ、ゴメン、ついうっかり手離しちゃった。大丈夫かい、足?」
慌てた矢島が心配そうに覗き込みながら狭霧に声をかけた。
「う・・・何とか」
狭霧は顔をしかめつつ、痛めた足を擦った。
「しばらく冷やしときゃ治る・・・」
そう言いかけたとき、狭霧は自分の身体がふわりと持ち上げられるのを感じた。
いつのまにか背後に来ていた小鉄が狭霧を腕に抱き上げたのだった。保健室に行こうとするのか、そのまま小鉄は歩きだした。一瞬の自失から我に返ると狭霧は慌てて抗議した。
「バッバカ!何すんだ!下ろせ、下ろせ!」
「でも、足が・・・」
「いいから、早く下ろせってんだよ~!!」
派手な騒ぎに教室からなんだなんだと人が出てきた。
あちゃ~という表情の矢島、頭が痛いという風に額を抑える篠北、あらと楽しそうな表情をする貴子姫、驚いた表情のまま固まっている雪也と、いつものメンバーは四者四様の反応で二人を見守り、その他大勢の好奇の目もそこに加わった。
今日もまたか・・・と狭霧は頭を抱える思いだった。それは、狭霧にとって不本意極まる日常の茶飯事なのだった。
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