脇役

というタイトルの映画か小説があった気がしてネットで探してみたら、子母澤寛の本でそーゆータイトルがあった。明治維新の戦いで敗れた幕府側の武士を描いた短篇集らしい。渋い。

なんのこっちゃと思われたかもしれませんが、勿論、箱根編の話題でございます。そして、今回は、擬・地味小鉄に引き続きまして、真正地味(笑)剣望くん。

小鉄との再会によって、“三太”から「剣望狭霧」に完全になった剣望くんですが、まだまだ色々謎めいておりました。まず、小鉄との関係。小鉄のお兄ちゃん的な剣望くんへの態度と、どうやらその小鉄に何らかのコンプレックスを抱いているらしい剣望くんの反応。

再会シーンで描かれてた二人の関係性はずいぶんと印象的でしたが、竜神高の寮に戻ってからは、むしろ、二人とも別々に行動していたため、またまた剣望くんの印象が一変しました。

坂口さんとの逃亡中にも見せていた冷静で感情を表にしない言動。ネガ現像では、並々ならぬ頭の良さをちらりと感じさせ、やじさんへのアシストも的確。

箱根編のここらあたりでは、既にほぼキタさんファンと化していた私にとって、剣望くんは、メインを追っていると要所要所で強い印象を残す、いぶし銀的な魅力のある脇役のカッコいい男の子でした。

特に小鉄が丸全製鉄への工作のため不在になってからの活躍ぶりには、何度か読み直すうちにすっかり剣望くんに惚れ込んでしまったくらいハマりました(笑)

やじきたは、他のお話でもそうなんですけど、箱根編では特に、剣望くんを含めキャラクターがそれぞれ自分の判断で自立的に行動して、それが自然と協力関係となっていくところがすごく魅力的で、こういうお話を書いたら、市東先生はやっぱピカ一だな~と思います。



13th hour garden

表のブログ“Nowhere Garden”には載せない記事のために新たに開設した裏のブログです。 サイト名はPhilippa Pearceの“Tom's Midnight garden”にちなんだもの。真夜中の13時に時を打つgrandfather clockからつけました。 表も裏もどちらのサイト名も、存在しない庭という意味では同じになります。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • blue moon

    2016.07.03 13:48

    @sikaコメントどうもです♪ 今回の再読は初読の印象を思い出すのがテーマなのでw 特にあの頃はキタさんファンだったので、剣望くんの見え方も今と大分違ってました。でも、その頃の印象も今思うと、原点というかとても大切なイメージなので、一度ちゃんと書き留めておきたかったのです。 >地味過ぎて作品の中ではむしろ目立つんじゃないか それはあると思います(笑) 地味がチャームポイントという稀有なキャラですね、剣望くんはw 対照的に、小鉄は、普段地味を装っている分、決めシーンで、あざといくらい目立ちまくるキャラですね(笑) >キャラがそれぞれ独自の判断で行動し 主要なキャラが、皆そうやって行動できるというのが、やじきたの一番好きなとこかもです。 勿論、剣望くんもその一人です!(力説)
  • sika

    2016.07.02 12:47

    こんばんは(*^^*) 銀が小鉄なら、いぶし銀が狭霧くんってことでしょうか?^^ しかし、箱根編から読むと狭霧くんはこんなにカッコいいキャラなんだな〜とblue moonさんの感想を読んで改めて思いました。絵柄的にも箱根編の狭霧くんはクールでカッコイイですもんね(*´∀`)♡ 真正地味に笑いました。昨日思ってたんですが、地味過ぎて作品の中ではむしろ目立つんじゃないかと思います(笑) キャラがそれぞれ独自の判断で行動し…は、各々の目的が違い過ぎない章に関しては、最後に一つになっていく展開はいつ見ても面白いですよね♪ 私がやじきたに本格的にハマったのが箱根編なので、ホント思い入れ深い章です(*˘︶˘*).。.:*